闇夜に浮かぶ月
ピピピピピ...
目覚ましの少しマヌケな音が鳴り響く。
あたしはいつもそのマヌケな音で眠りに別れを告げる。
不意に時計を見ると、時計は5時20分をさしていた。
「だる...」
ベッドから出ようとしたら、身体が鉛(なまり)のように重くて、思わずそう呟いた。
ピピピ...カチャ
耳障りな目覚ましを消し、だるさを我慢してベッドからでた。
薄手のパジャマを着ていたら、9月下旬の今では、さすがに身体が震えた。
タンスの中から下着を取り出す。
ベッドの下の引き出しからバスタオルと少し小さなタオルを取り出して、下着を包んでお風呂場へ行く。
バスタオルからは、かすかに洗剤の香りと、太陽の香りがした。
