フレーム
「光太郎、環奈の父親は、
日本を誇る天才フォトグラファーなんて呼ばれてますけど、
私に言わせたらあいつは、
天才、というよりは秀才です」
コップを食器棚からとる太一の手が
一瞬止まったのも見逃さず
さらに遠藤は続けた。
「確かに、
普通のそこらへんのカメラマンになれるくらいの才能は、あいつも持ってました。
でも、そこまでの才能しか持ってなかったんですよ。
あいつのカメラに対する努力は桁が違う」
「……その話、俺も聞きたいです」
そう割り込んだのは、
遠藤の思った通り、太一だった。