フレーム






必死にシャーペンを動かして
ノートを写す私の目の前には、

そのノートの持ち主である隼人が

ニヤニヤしながら私を見ていた。




「で、太一と何があったの?」




その隼人の一言で

ピタッと止まってしまった腕。


何で手止めちゃったの!私!


そう馬鹿な自分を責めてから、

再び手を動かす。




「何も。」




先程までスパルタで私を指導していた太一君は、

お母さんに呼ばれたため今日はもう来ない。


この調子だと非常にまずい、
隼人と2人きりとか……

もう既に何かがバレているっていうのに!!


案の定、

隼人は身を乗り出して私の腕を掴んで止めると、




「オールナイト暴露大会だからね、今日は。」



「…隼人は何を暴露するの?」



「隼人、は、ねぇ…

じゃあ環奈、も、暴露してくれるの?」




うっ……

思わず見開いてしまった目。

もう、ダメだ。


そして、隼人は私の顔を確認すると、

勉強道具を机の上から片付けながら

ニコッと笑って




「じゃあ!始めよう!

オールナイト暴露大会!イェーイ!!」





そう言ったんだ。













< 396 / 509 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop