フレーム

真実を知る時






目を開けると、

見覚えのある天井が見えた。


さっきと同じ。

私が今日休む自室だ。


何か懐かしい夢を見ていた。

もう思い出せないけど。


何故だか分からないが

いつもの普通の夢よりも、

思い出さなければいけない気がする。




「…あっ!!」




夜ご飯の準備!!

ってあれ?今何時?

そう思い飛び起きると、

部屋の壁にもたれたまま寝ている男の人…

一ノ瀬、先輩?

私、何か大きな勘違いをしていて、

昔の私が…
そうだ、昔の夢を見ていて


一ノ瀬先輩には分かってもらえてないと思っていたけど、

さっき、それとは真逆の事を言っていて…





「…環奈?」




その懐かしい声に大きく反応してしまう。

目が合った。

緊張から手が汗ばんでいくのが分かる。



「あ、悪い…その、なんだ。

勝手にあのカメラマン達に色々言って」




その少し困った様子に、

先輩も私と同じなんだと気付く。

ちょうど1年ぶりの会話。


何か、言わなきゃ。

< 475 / 509 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop