小さな恋物語
前田雄二、23歳。

その若さと甘いマスクで、ファンの女子生徒は数知れず。

ちょっとモテるからって、天狗になってるんじゃない?

「あーあ、嫌な感じ!……あれ、パンクしてるんだけど……最悪っ」

今日は本当についてない。

今日の日直担当が欠席したおかげで私が日直をやらされ、前田は最低で、自転車はパンク。

「何してるんだ?」

「なんか〜空気ないんですよね……ん?」

この声は……。

「またか……送ってやろうか?」

前田っ!!

しかも、“またか”って何?

しょっちゅうパンクしてる訳じゃないのに。

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