真面目社長が恋に落ちたら
無事に1コマの被服繊維学の授業を受け終わり
今日の残り2コマに行く前に晩御飯を食べる。


カフェテラスの中へ行くと桜さんが大きいお弁当箱を取り出して差し出してくれる。

「ほら、洋子ちゃん。しっかり食べなさい!いくら大変でも限界まで食事削ったら倒れちゃうんだからね!」

口すっぱく言いつのる桜さん。

それもそのはず、夏季休暇明けの先週私はいつものように事務方雑用アルバイトを終えて学校に来たら、とうとう貧血と栄養失調でぶっ倒れた。

広いキャンパスには隣接して大学病院があり、そちらに運ばれて点滴を打たれた。

付き添ってくれたのは、その時一緒にいた桜さん。

点滴のおかげで回復して目を覚ました時には大いに怒られたのは言うまでもない。

「なんで、こんなになるまで何も言わなかったの!?しかも栄養失調ってどういう事?食べてなかったの?」

すっごく心配そうにでもキツイ口調で言ってきた桜さんに事情をしっかり話す事になった。

情けないし恥ずかしいから言いたくなかったけど心配掛けた上に迷惑もかけているから仕方ない。

「実は後期の授業の教科書や材料揃えたらちょっと今月余裕なくなっちゃって。削れるのが食費位だから下宿の朝食以外食べてなかったんだよね・・・。えへへ。」

と言うと
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