飛べない鳥に、口づけを。






「お待たせしました」




出来上がった薬を持ち、戸崎柊のもとへと歩み寄る。

あたしを見た戸崎柊は、予想以上に整った顔をしていて、久しぶりにイケメンアレルギーが発動されそうだった。

もとから中性的で綺麗な顔立ちだと思っていた。

だけど、実物は写真の八割り増しだった。

中性的なイケメン戸崎柊は、穏やかで優しい性格だと思っていた。

……そう、樹君みたいな。




だが……



「おー、お前か」



いきなりお前呼ばわりされ、薬を持ったまま固まっていた。


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