飛べない鳥に、口づけを。





矢沢さんに借りていた、アスールの試合のDVDを思い出す。

大歓声に包まれ、ピッチを駆ける樹君が脳裏を過る。




あの樹君を見ることが出来るんだ。

次は液晶画面ではなく、目下に広がるピッチで見ることが出来るんだ。




胸が熱くなり、鼓動が速くなる。




樹君、頑張ってね。




あたしはぎゅっと拳を握りしめた。

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