飛べない鳥に、口づけを。





小沢さんはベッドに腰かけたまま、あたしに告げる。




「そうですねぇ……

あれは確か、数年前に風邪を引いた時にもらった薬です」



「どんな薬でした?」



「えっと……ピンク色の錠剤……抗生物質でした。

怖くなったから、薬の名前をそこに書いてあるけど……」




彼女はそう言って、机の上に置いてある"お薬手帳"を指差した。

慌ててそれを手に取り、確認する。

そして……




「今日処方された抗生物質……同じ系統のものです。

もしかしたら、今日の薬でもぶつぶつが出るかもしれません」




あたしは小沢さんに告げていた。

小沢さんは驚いた顔であたしを見た。


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