チェックメイト
「どう、撮れた?」

「はい!ばっちり!」

そう言って液晶画面を見せると、そこには満面の笑みを浮かべる二人が写っていた。

光の加減も最高にいい。

「お!いいじゃん!さすがだね~、愛が伝わってくるよ。」

そう褒めてくれた日野さんに私も嬉しくなって笑みがこぼれる。

「亜弥、撮れた!?」

「凛!見てみて!」

「わ!かわいい~。」

「俺のおかげ。」

「あはは、そうですね!」

これをきっかけに私たちは同じ場所で立食を楽しむことにした。

日野さんともう一人は山口さんと言って美月と同僚なんだそう。

山口さんはまだ独身で軽くアピールされたけど私たちも軽くお断りを入れておいた。

お互いに出会いを求めるというよりは美月をお祝いする気持ちのほうが強いようで心地よかった。

会社での美月、幼馴染の美月、互いに知っている美月の話で盛り上がる。

「美月ちゃんは本当によく気が利くんだよな。どれだけ部長たちおじさん連中が癒されてるか。」

「わかる!亜弥もだけど、美月は年上キラーなのよ!」

「え?私そうなの?」

「ああ、それっぽい。亜弥ちゃんからは品の良さを感じるから安心感があるね。」

初めて聞かされる話に私は思わず眉を寄せて首を傾げた。

しっかりしろとよくからかわれるんだけどな。

「はーい、それでは今からゲームを始めたいと思います!皆さん一枚ずつ紙を引いてください!」

司会者の声を合図に何人かが二種類の箱を持って回ってきた。

どうやら女性と男性で分かれているらしい。

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