支社長は取り扱い要注意!
「はい」

俺は首を縦に振ってうなずいて返事をした。

そのつもりだ。

高畑まひるを探して、彼女を見つけたら、こう言うんだ。

――お前と一緒に生きたい、と。

「跡継ぎのことは僕に任せて、凱は彼女を探し出すことに専念しろ。

本当に、彼女が遠くに行ってしまう前にな」

そう言ったおじさんに、
「はい、わかりました」

俺は首を縦に振ってうなずいた。

「もう行きな」

「はい、失礼しました」

俺は会釈をするように頭を下げた。

家も会社も、何もかも全てを捨てた。

それらよりも高畑まひるが俺にとって1番大切だ。

必ず高畑まひるを見つけ出して、必ず高畑まひるに気持ちを伝える。

その決意を胸に、俺はおじさんの前から立ち去ったのだった。
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