支社長は取り扱い要注意!
頬に触れているこの大きな手の温もりに、目頭が熱くなったのを感じた。

「やっと見つけたぞ…。

もう会えないんじゃないかと思ったぞ、高畑まひる」

「ご、ごめんなさい…」

呟くように謝ったわたしに支社長は笑うと、またわたしを抱きしめた。

「高畑まひる」

支社長はわたしの名前を呼ぶと、
「――お前が好きだ」
と、言った。

「えっ?」

腕の中から顔をあげて聞き返したわたしに、
「お前が好きだ。

お前が好きだから、お前と一緒に生きていきたいんだ」

支社長が言った。

伝えてくれたその気持ちを心から嬉しいと思った。

でも、
「支社長には…」

「もう捨てた」

わたしが言い返すのを待っていたと言うように、支社長が言った。
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