支社長は取り扱い要注意!
「まひる」

支社長に名前を呼ばれてしまったら、何も言うことができなくなる。

震える唇を開いて、音を出す準備をする。

「――が、凱さん…」

初めて呼んだ彼の名前は、まるで呟いているみたいだった。

いっ、言ってしまった…。

よっ、呼んでしまった…。

名前を呼ばれた支社長の顔を見ると、彼は隠すようにして手で口元をおおっていた。

「凱さん?」

1回呼んでしまうと簡単なもので、2回目になるとすぐに出てきた。

「あんまり、顔を見るな…。

こっちは恥ずかしくて仕方がないんだ…」

「えっ」

支社長が恥ずかしがっているって、マジですか?

と言うか、支社長にも恥ずかしいと言う気持ちがあるんだ…。
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