触れたいのは、あなただけ

着いた場所は会議室だった。

扉が開けっぱなしになっている室内を覗いた。


「…新井?」

驚いた顔をした浜野先生と目が合った。

他の先生はいない。

「どうした?」

こんな近い距離で浜野先生の顔を見たのは、初めてかもしれない。


「新井?」

いつもと様子が違うのに気付いたのか、浜野先生も目を逸らない。


喋らなきゃいけないのに、言葉が出ない。

お互い目を合わせたまま、静まり返る。


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