夜のオフィスは波乱の幕開け
智一、試練の時



   取締役会議で決まったとはいえ、このプロジェクトは、かなりリスクが大きいため、私は反対なんだがみんなはどう思う?


    このプロジェクトが発表された日の晩、全員が智一が急きょセッティングした飲み会に参加した。



  本当は、楽しいはずの飲み会のはずが会社の鶴の一声で現場で働く俺らが社畜な成り下がるのは嫌だし、みなにも今の生活があるから、ここは一致団結して会社と戦うべきだと思うんだ。



   そうはじめに智一は高らかに声を上げると、社員全員が静かにうなずいた。



 
  この会社は従来の枠に捉われないことで、短期間に大きく成功したけれど、今回は現場の俺たちが大変な思いをするだけで安心して偉い立場で旨い汁を吸うのはトップの一部の連中だけなんだから。


   今回は、みんなで戦おう。




   おー!とみんなが一斉にグラスを掲げた。




   千和が寄り添い、なんだか大変なことになってきちゃったね。



   あぁ、そうだな。でも、たまにすぐ1度決まったことでも取り下げることもあるから


   それに期待しておこうよ。
< 73 / 81 >

この作品をシェア

pagetop