片想いレンズ
3
君のもとに走ってた。



"私も奥屋君のこと好きになりたい"






涙が止まらなくなった






"でも、やっぱ無理だ"



奥屋くんは、ただ、"そっか"って言って笑った




"行ってください、行ってちゃんと自分の気持ち伝えてきてください"






駅のホームに、電車のアナウンスが流れた



"ありがとう"




奥屋くんは、笑ってた




見覚えのある後ろ姿




「…サクっ」





振り向いて、目があって、サクが笑った。




人混みの合間をぬって。






「どうしたの、萌歌」



今、名前よんだ



それだけで嬉しくなる。




"頑張れ"


涙を拭いてくれたあったかい手を思いだす。







1つ息を吸う、













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