肖像画とノイズ(短編集)
電話ボックス
【電話ボックス】


 昼でも薄暗い公園の奥に、その電話ボックスはあった。わたしは毎日そこに通い、彼に電話をする。

 ありきたりでとりとめのない会話だけれど、一日の中で一番幸せな時間だった。

 だからこの電話のコードがどこにも繋がっていないとしても、それは特に重要なことではないのだ。




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