人間複製機
「だけど、あたしには弘樹の頭がどうかしたんじゃないかって思えるんだけど」


腕組みをしてそう言うと、弘樹は瞬きをしてあたしを見た。


「そう思われることは仕方ないと思ってた。でも、まさか俺の心配をしてくれるなんて思ってなかったよ」


そう言う弘樹は嬉しそうに笑っている。


嫌味を言っただけなのに、あたしは拍子抜けしてしまいそうになった。


「適当に貢がされて終わりだと思ってた」


その言葉にあたしはムッとしてしまった。


いくらあたしでもクラスメートを利用しようだなんて考えていない。


そりゃあ、少しは心が揺らいだことは事実だけど。


「そこまで言うなら複製機を見せてみてよ」


あたしがそう言うと、弘樹は困る様子も見せずに頷いた。
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