狂愛社長に溺愛されてます
「逢い引き中かな?」



ニヤリと笑った社長が出た先には立っていた。



「しゃ、社長!」


「あ……」



風詩の顔が強ばる。

いくら風詩でも社長の前では何も言えない。



「散歩してもいいとは言ったけど、逢い引きしろとは言ってないけど?」


「いや、これは別にそういうわけじゃないです」



慌てて風詩の腕から自分の手を離す。



「君は近石くんだね」


「え!?あ、はい」



自分の名前を知られ出たことに驚きつつも返事をしてる。




「この子は俺のだから」



風詩の横にいたあたしを自分の横に来させる。



「え?」


「いや、何言って……「昨日言ったよね?拒否権ないって」


「……それは」



言われたけど。
でも、こんなの強引すぎませんか。



「分かったよね?この子に手を出したらどうなるか」



満面の笑みで風詩を見る。



「はい……」


「君は賢いね」



笑顔の裏でどんな黒いものがあるのだろうか。

< 8 / 71 >

この作品をシェア

pagetop