アウト*サイダー
私は確かに覚悟をしていた。河西さん達と一緒にいたハルちゃんがまた私と一緒にいることで、何か言われるんじゃないかと。
もちろん、彼女を擁護するつもりだったし、彼女自身もそれを分かってくれていた。
……なのに。
「今まで続いていた上靴隠しも、地味に腹立つこそこそ話しもないどころか、ハルちゃんへの嫌がらせもなくなって……まるで、一気に過去に戻ってきたみたいに元通りになってる!」
「もしかしたら私達、夢を見ていたのかもしれないね」
あー。夢ね。嫌な夢だったな。悪夢だ。それも目覚めの悪いやつ。
「……んな訳ないよね、ハルちゃん」
うふふ、と笑うハルちゃんの目の端にきらりと光るもの。
これならいっそ、河西さん達にやっかまれていた方がましだ。反撃の仕様がある。
こんなの、気持ち悪いことこの上ないわ。
「あんなもの見ながら食べてたら吐きそうだから場所変えよう」
「ハスミちゃんの目に、どう映れば吐き気を催すのか分からないけど良いよ」
うん、夢は見ていなかったのは確かのようだ。だって、ハルちゃんが私に向ける言葉に遠慮がなくなった。
「ハムスターからハリネズミになれたのね。うむ、良きかな。針を持ちながらも、その可愛さは衰えぬ」
「ハスミちゃん、変だよ?」
笑顔でチクチク刺してくるの……良き。