アウト*サイダー

「ハスミが……嫁入り……?」

 聞いてないとは思っていた。しつこく突っ込まれるのも面倒だから、そのままにしていたが、まさかそんなにショックを受けられるとは思いもしなかった。

「お父さん、せっかく焼いてくれた鮭が冷めちゃうよ。ほら、村田さんがくれた漬物もあるし」

 すっかり意気消沈して、ふらふらと席に座り込む。その隣に、ご機嫌な様子で鼻歌を歌う母が座る。

「お母さんはそれ、早く着替えてね」

 鼻歌を止めて、意外そうに目を見開く。母よ、何故それが許されると思ったのか。

「いつも通りにしてよ! ケイに変な家族だなんて思われたくないんだから」

「嫌ね、失礼な! これのどこが変って言うの? お父さんは綺麗だって言ってくれたのに」

「だったら二人のデートの時だけにして。とにかく今日は普通の格好してね。じゃないと絶対会わせないから」

「あら、お母さんが居なくてどうやって大事な将来の婿を迎えられると思う? お父さん一人じゃ何にも出来ないわよ」

「将来の婿っ!?」

「お父さん、お母さんが勝手に言ってるだけだから。というか、ケイに変なこと言わないでよ。そうやって婿とか何とか」

「いいじゃない。ハスミは我が娘ながら、外見は問題ないけれど気が強くて不器用だから、もらってくれる殿方と出会える確率が他の子よりも少し低そうだし。上手く囲えれば心配事は減るでしょう?」
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