アウト*サイダー

* 大事な時間



「私、もう一生彼氏いらない。友情だけを信じる」

 私とハルちゃんと須賀さんに、無表情の篠田さんが宣言した。

 口の端に絆創膏が貼られているが、痛々しいくらい赤黒く変色した肌を隠しきれていなかった。

 四人のグループメッセージで遊びに行こうと言ったのは篠田さんだった。その二日の間に何が起こったのか。

 待ち合わせに須賀さんと現れた彼女。普段と同じような笑顔をしていたが、不意にその目が虚無感に包まれていた。

 ハルちゃんはさすがと言うか、場の空気を読み取って篠田さんに問い質すことをしない。

 しかし、私は気になってしまって何度も喉から「何があった?」と声が出そうになる。その度、須賀さんが無言で制してくれた。

 バーゲンと言っていたからショッピングモールに行くのだと思っていたが、アーケード商店街だった。

 商店街と言っても、ファストファッションの服屋にセレクトショップ、ドラッグストアや免税店が連なり、巷で話題のスイーツ専門店や小洒落たカフェが多数ある。

 各自、一通り買い物を済ませ、休憩の為に立ち寄ったのは、メルヘンで埋め尽くされたメルヘンなカフェだった。

 パステルカラーに包まれて、店員さんもアイドルみたいに可愛くて、どうも私には落ち着かない。

 篠田さんとハルちゃんはすごく気に入っているようで、店内や出されたケーキの写真を撮り、ご満悦の様子。……だった。最高潮に上がったテンションが奈落の底に落ちた様を私は初めて目の当たりにした。
< 404 / 466 >

この作品をシェア

pagetop