巨大ロボ!戦え! ガンスロン
「真由…」

コクピット内でシートには座っているが、放心状態になっている真由を見て、潤一郎はまどかの肩を掴んだ。

「まどか…。もういい」

潤一郎は、無意識に少し強く掴んでいた。

「お、お祖父様…」

「ガンスロンの活動を休止させろ」

「え…」

「システムダウンだ…」

潤一郎は横合いから、キーボードに手を伸ばした。

「ここは、戦場だ。戦いを放棄した者に、生きる権利はない」



ガンスロンは、空中から降下すると、砂地に着地した。

あらゆる動力が止まり、円盤も回転を止めた。

直接地面についたガンスロンは、鉄棒を振り回す猿の鉄棒を、無抵抗で受けとめた。


コクピットに衝撃が走り、シートから真由は、転がり落ちた。

猿は奇声を発しながら、同じところを連打する。

まるで、そこに真由…四つの印があることを、わかっているかのように。



「お祖父様!」

再び起動させようとするまどかの手を、潤一郎が止めた。

「あれくらいでは、ガンスロンの装甲は破れん!しかし……」



コクピットは揺れ、装甲を叩く音はダイレクトに、真由に伝わった。

密室で、響き渡る殴打音は、だんだんと恐怖をかきたてていく。

「きゃああああ!」

真由の絶叫が、飛行艇内のスピーカーから聞こえてきた。

「おじいちゃん!」

真由の泣き声を、潤一郎はスピーカーを消して、聞こえなくした。

「お祖父様!真由ちゃんが!」

まどかは、やはりガンスロンを起動させようとしたが、潤一郎は端末機を奪い取った。

「お祖父様……」

「これで、いいのだよ…これで」

潤一郎は、飛行艇から攻撃を受け続けるガンスロンを見つめた。
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