夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】
【4月下旬/港街の自宅】

「ご飯出来たわよ〜」

夕飯の仕度が整い私が声を掛けると、居間でユウさんと遊んでいた子供達が「はぁ〜い!」という元気な返事と共に食卓に駆けてくる。

背伸びをしながらテーブルの上を覗いて、夕飯の献立を確認しようとするヒナタとヒカル。
その背後からゆっくりと忍び寄ったユウさんは、二人の頭をポン!ポン!と軽く叩いて目線を合わせるように屈むと……。振り向いた子供達に言い聞かせるように言った。


「ヒナちゃん、ヒカル君。
まだ、おもちゃのお片付けが終わってないだろ〜?
大切な物はちゃんとしまわないと、夜中に泥棒さんにもっていかれちゃうぞ?」

「えっ〜!?やだやだ〜!」

「や〜!ひかるの〜」

ユウさんの言葉に二人は慌てて居間に戻ると、さっきまで遊んでいた物をおもちゃ箱に必死で片付け始めた。

その光景を見て、私はユウさんと顔を見合わせると微笑み合う。
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