夢の言葉と約束の翼(上)【夢の言葉続編⑤】

「……その涙とごめんは、絶対に喜びじゃないよな?」

泣きながら謝り続ける私に、ユウさんが問い掛ける。
なんとか涙を止めようとギュッと瞼を閉じた後にゆっくり瞳を開けると、目の前にボヤけて映るのは優しく微笑むユウさん。

ユウさんは正面に片膝を着いて、私の両肩をグッと持つように握ると言葉を続けた。


「……我慢しなくていいぞ?
好きなんだよな?今でも、ギルさ……。
……ヴァロンさんの事」

「!!……。え……?」

ユウさんの言葉に、驚きのあまり目を見開いて瞬きを忘れる。

”ヴァロン”……。
夢の配達人の関係者か、私の身内しかしらないはずの旦那の名前。

ユウさんの口から出たヴァロンの名前に、私は暫く言葉を失って見つめていた。

……
…………。
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