悪魔の囁きは溺愛の始まり
そうなのか?

部長だからか?


「あっ、まさか偵察?」

「それも兼ねて。嫌だった?」

「あっ、いや、別にいい。参考にしたいし。」

「参考って。仕事は離れろよ。」


クスクスと笑われた。

確かに今は仕事関係で来ている訳じゃない。

運ばれてきた料理を食べるが、あまりに見られるので恥ずかしい。


「見すぎ。」

「別に問題ないだろ。」

「食べづらい。」


クスクスと嬉しそうに食べる蒼大さんを気にするのは止めた。


「明日もどう?」

「明後日、週末だよ?出掛けないの?」

「出掛ける。」

「なら明日は………。」

「一花、忙しい?」


そう聞かれると忙しいって程ではない。


「いいよ。」

「迎えに行く。」

「ありがとう。」

「飲みに行かないか?」

「帰れるなら。」

「泊まりは?」

「…………。」

「一緒に寝た仲だろ。」

「…………しないよ。」

「はっ?」


小声で呟いた。
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