悪魔の囁きは溺愛の始まり
「ビーチで一目惚れしたのは本当。それでお互い3人で遊びに来ているのを知って………。」

「………。」

「夜のパートナーにいいんじゃないかって話になったんだ。白状すると……ハワイでの夜の相手にしようって話してた。」


蒼大さんが盛大な溜め息を吐いた。

それでニヤニヤとした胡散臭い笑みを浮かべていた訳だ。

張り付けたような笑みに隠されていたのは夜の相手にしようって事だったんだ。


「春馬も悠祐も同じ。けど、嵌められたのは俺達だった。」

「嵌められた?」

「誰も夜の相手にはならなかった。あんなに甘い言葉を囁いても無駄だったって事。」


無駄ね…………

上部だけの甘い囁きに、波羽も琴音も気づいていたのかもしれない。

侮れないな、二人とも。


「その上、逆に俺なんか一花に堕ちて、夜の相手に出来なかった。」

「ふ~ん。」

「先に堕ちた方が負けなんだよ。」


蒼大さんの切ない声が届いた。

『後悔………。』

気持ちが声に表れていた。
< 97 / 200 >

この作品をシェア

pagetop