失恋の傷には媚薬を
謝罪


「ははっ、バレてたか。そうだよ、あの日、詩織さんと一緒に飲んでたら、楓の彼氏が店にやってきた。詩織さんと二人で話し込んでいたから俺は先に帰っただけ。それだけだよ?」


「私もそれは聞いた。でも、それは亮平さんが店に来てからの話。その前に話してたこと覚えている?例えば生理が遅れているとか、健ちゃんと暮らしたいとか」



もうここまで話せば
笑顔だった健ちゃんの顔は強張っていた


『お姉ちゃんのお腹の子供の父親は健ちゃん?』


私の問いに答えない健ちゃん
図星なのだろう


「俺はずっと後悔していた。やっとの思いで楓と付き合えたのに、詩織が邪魔しやがって楓の気持ちが離れてしまった。だからどうにかして楓の気持ちを取り戻したかった」


健ちゃんの言葉に
これが健ちゃんの本性だと確信した
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