失恋の傷には媚薬を
部長が掛け合ってくれたのか
ロッカーが変わった
私が使っていたロッカーには
鍵がかけられ
使用禁止の紙が貼られた
そして
鍵の管理を徹底する、と
総務の課長は言っていた
今日は何もされないだろうと思うと
少しだけホッとした
自分の部屋に帰ってゆっくりしたい
安心して眠りたいと願うが
私が安心できる場所は…ない
今日寝る部屋もない
あの部屋には帰りたくない
「お支払いは横峰様から頂いております」
今朝、チェックアウトした時だった
横峰部長に支払いまでさせてしまった
あそこのホテルには泊まれない
どこかホテルを探すしかない
でも、それも今日までだ
不動産屋に行き
すぐ入れそうな部屋を見つけなくてはならない