失恋の傷には媚薬を


里奈と引っ越し蕎麦を食べていた時だ
越したばかりだと言うのに
インターホンが鳴った
誰?と里奈と顔を見合す



「もしかしたら引越し業者かな?それとも隣人さん?煩かったですかね」



はいはーい、と
里奈は玄関へと向かう
つられて私も玄関へと向かったが


ガダン、という音に足を止めた
玄関ドアについてある
郵便受けに何かが落とされた
それは手紙や軽いものではない



楓先輩…



里奈の小さな声で我にかえる
急いで玄関を開けたが
そこには誰もいない
ドアを閉め郵便受けから
落とされたものを出した


茶色の紙袋に柔らかいものが入っている
何だろうと開けてみると
それは思ってもみない贈り物だった

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