×princess misfortune×
謹慎処分
「聖偉ちゃーんっ! 作り置きの利くクッキー作ろうと思ったんだけどねぇ~」


文化祭前日。



自宅のソファーに寝転がっていたわたしに、さっきから八回目の電話。



おかげで、充電器が常に繋がった状態での通話を余儀なくされている。






一昨日の一件で、わたしは三日間の自宅謹慎と反省文を言い渡された。



手を出したのはわたしだし、仕方ないから素直に受け入れた。



……わたしは。



謹慎が決まった次の日。


「浅野さんは悪くないじゃんっ!!」



担任相手にクラスをあげてわたしの謹慎に抗議をしてくれた。



って、わざわざ実哉と樹野くんが電話で教えてくれた。



三日間って言ったら文化祭当日まで。



わたしは別にそれでも良かったのに、



担任が頭を下げて謹慎を二日間に縮めてくれたらしい……。


そんな訳で、今クラスは明日の文化祭の準備に右往左往してるらしく、



特に調理係に至っては、何をしていいのかわからない状態。



ヘルプに回った飾り付け係の実哉からのヘルプの電話に、


「……高橋くんに代わって」


とりあえず常識人高橋くんに代わってもらうことにする。
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