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翔~version


朝起きて 隣を見ると結弦が気持ちよさそうに眠っている

寝ている結弦の顔をじっと見た…
月夢ちゃんは 自分と結弦全然似てないと言っているけど、俺は兄弟だから やっぱり二人は似ていると思う…

昨日 俺は月夢ちゃんにキスをしてしまった…本人の意識がない時に 卑怯なキスを…

いつもは 余りにもガードが固い兄 結弦の鉄壁な守りに近付く事すら出来ないのに…

チャンスはやっぱり 側にいないと生まれないと思い、結弦の家に旨い飯を食わせろと言って 月夢ちゃんに会いに行っていた

結弦とは高校の頃から仲良くなり、家に行く事が多々あり その時に月夢ちゃんに初めて会う…

俺は多分その時から 月夢ちゃんが可愛いと思っていた。だから…月夢ちゃんが高校生になったら彼女になってくれないかと密かに思っていたんだ…

だけど、彼女は高校には行かずにアメリカへ単身で留学に行ってしまい、俺は告白すら出来ないまま 失恋したみたいになっていた

あれから6年経ち また月夢ちゃんが 日本に帰って来たと聞いて 俺は自分がやっぱり月夢ちゃんの事が 好きなんだと思う…

久しぶりに見た月夢ちゃんは、控えめながら 綺麗な大人になって 俺の前に現れた

相変わらず 結弦の溺愛は 激しいが、俺は絶対 月夢ちゃんを 彼女にしたいと強く思う

で…昨日の行動に出てしまったのだ…
朝会ったら どんな顔して 月夢ちゃんを見たらいいんだろうか?

ぼんやりしていたら…

「おはよう翔。起きてたんだ…」

「ああ、おはよう。ぼぉとしていたよ…昨日酒抜けてないのか だるいわ…」

「そうか?あれ?俺ここで寝てた?」

「お前 酔ったから寝るわって寝たぞ!」

「何か記憶にない…今日はどうするんだ?俺は月夢と1日中 ダラダラする…」

「お前なぁ、彼女はほったらかしか?」

「あぁ、あいつの事あんまり好きじゃないし…ぐいぐいあっち押し もう疲れた…」

流石モテる奴は言う事が 違う…

「俺は今日は何もないし ここ居心地いいし、居ていいか?」

「俺と月夢の事 邪魔しないならいいぞ!」

ハハ…彼氏か?

「じゃあ よろしくな」

起きて 結弦が扉を開けると 月夢ちゃんがいたみたいだ

「出掛けるのか?」

「早く連絡して、帰って来てね」

とか結弦が言ってるのが聞こえる…

彼氏か?と苦笑いしながら 今日は 月夢ちゃん居ないのか と残念に思う自分がいた…






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