光の向こう側へ
決意
それから数か月が経ちこの生活にも慣れ出した頃、事件は起こった


今日は一日オフの日
どう過ごそうかと考えていると電話がかかってきた。


「おはようございます」
「大丈夫か?!」

電話越しに聴こえた声は尋常じゃないくらい焦っていた
冷静で顔や声に感情がでない人だと思っていたけどそうでもないらしい


もしかして…父親が……?!?!


「大丈夫。もしかしてうちの父親きた?」
「あー……うん。」


諦めてなかったか……。
ヤツはまたボロアパートにやってきた。


「大丈夫だった…?殴られたりしてないよね?」
「それは大丈夫だ!心配しなくていいからな」

そう言われても心配になる


数か月大人しくしていてもう諦めたのかも?って思っていたけど、そんな人生甘くなかった

私と会うまでヤツは諦めないだろう……
以前の記憶が甦る。


やっぱり…………。。。。
このままじゃだめだ…………………………。
これ以上迷惑をかけられないし、何より彼の大切な場所を奪ってしまった…………。


「今日会えたりする……?」
「大丈夫だ。俺がそっちに行くからマンションから出るなよ!」
「うん、、ありがとう」


そのメールを最後に連絡は途絶え数十分もしないうちにインターホンが鳴る
ドアを開け彼の顔を見るなりほっとして泣きそうになった…。


「どうした?」
「んーと………」

ソファーに並んで腰を掛ける
沈黙が息苦しい………
心の中は矛盾を起こし感情と行動がちぐはぐしていた




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