光の向こう側へ
別れ
どうして人は、
人を傷つけるんだろう
自分が一番大切なんだろう…
どうして。どうして。どうして。

どうしてが溢れて苦しくなってきた
この感情をどう処理していいのか分からない。
深景と一緒に過ごす時間が長くなって幸せなはずなのに心は悲鳴をあげていた
彼が優しく声をかけてくれる度、心が押しつぶされそうになる

誰が悪いって?自分が悪い
どうしようもなく絶望的な気持ちで、自分がダメな人間だという思いを拭えずにいた。


「おはよう!」
「おはよ」


今日も変わらず一日が始まる


今日は会議の後会食の予定が入っている
少し前から分かっていた


「今日は会議後、夕方から会食の予定が入ってるからね」
「わかった。遅くなると思うから先帰っててな」

たまにある別行動
1人の時間を満喫出来て嬉しくもあるが、何となく寂しい想いもあって悲しい時間でもある
会社に一人でいたら何が起こるか分からないから、会社の入り口までいつも送ってもらっている
深景と別れて1人になった後は心配させないようにすぐに家に帰るように心がけていた


「うん、わかった。」
「帰り気を付けてな。」

別行動をする日に必ず聞くセリフ
心配なんだろうな
気にかけてくれているんだってひしひしと伝わる
一緒に住みだして私の悪い所が沢山見えたはずなのに、嫌わずに変わらず今も接してくれている
凄く有難くて幸せな事なんだろうな
でも………。


「よし、行くか」
「うん」

出勤はお高そうな車
社長ともなると当たり前のように運転手がついている
こういうのってテレビの中だけなのかと思っていたら本当にあったんだと初めて知った日驚いた
会社までは数十分
車の中で今日のスケジュールを2人で確認をし終わったちょうどその時会社に着いた





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