光の向こう側へ
もう一つの光
新しいバイト初日九時前にお店に行くと榊さんが笑顔で出迎えてくれた


「榊さんおはようございます!」
「おはよう!」

「今日から宜しくね!」
「こちらこそ宜しくお願いします。」

コンビニの仕事は初めてで何も分からない状態からのスタート
午前中は仕事を一つずつ教えてらった
一度聞いただけでは覚えられず、教えて貰った事を持ってきたノートにメモる


「ゆっくり覚えてくれたらいいからね」
「ありがとうございます。」

気を遣って言ってくれる榊さん
そう言われると頑張ってしまう
少しでも早く仕事が出来るようにならないとと思ってしまう


「夢月ちゃん、親父とかぶるから榊さんじゃなくて名前で呼んでもらえるかな?」
「あっすみません!えっと蓮君?」

確かにお父さんも榊さん
蓮君も榊さん
どっちも同じで区別がつかない

けらけら笑う蓮君は本当に眩しい
目がそむけたくなるくらい。。。


「蓮でいいのに!」
「さすがにそれは。。。」

「分かったよ!慣れたらそう呼んでねー」
「わかりました」

慣れるわけないよなーと思いながら仕事に戻る

午前中お客さんはまばら
少なくもなく多くもなく
都会と違い誰も急いでない
そしてみんなご近所さんなのか知り合いなのか分からないけれど凄く仲が良く、お客さんも蓮君もお互い敬語を使わない


「お昼だし休憩しよっか!」
「はい!」

お店の裏でご飯を食べる
お昼の時、お店に誰もいないけど大丈夫なのかそこが心配だった


「誰もお店にいないけど大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよーいなけりゃみんな呼ぶから!そういえば夢月ちゃんはいくつ?」

のどかな町だな
都会なら万引きが多発してどえらい事になるのに

てか、いくつって聞き方
子供扱いされてる?

「二十歳です。」
「若いねー俺は24歳なんだよー」

年上だった
見た目は若くて初めて会った時同い年かと思ったのに
人は見た目で判断できない




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