ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
コース料理が運ばれて来たけど、休憩時間は残り三十分。
最後まで食べきれるか心配だった。

「君は時間を気にしてるようだね。間宮さん」
しきりに時間を気にする私の様子を見て、元総理が言った。

「私達の休憩時間は一時間ですから…」

「康秋から羽島課長に連絡してあげなさい」

「よろしいですが…どう説明するんですか?敦司さん」

「私の名前を出せば、何とかなるだろう…」

「分かりました…」

プリンス様が立ち上がり、席を外した。

「申し訳ありません。お気を遣わせてしまって…」

「構わないよ…康秋と二人では実に味気ないランチだと思っていた。癒しを与えてくれた君たちには感謝するよ」

元総理はバリトンの声を響かせ、ニコリと笑った。


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