ずっと前にね
十章・ストーカー

違うんだ

叶多と陽翔の卒業式が終わった夜の話だ。俺はいつも通り学校を出て帰ろうとしていた。けれど、物陰から誰かが出てきて俺を後ろから抱き締めてきたんだ。

「柏崎先生っ!私っ!」

臨時できている数学教師だった。本校の数学教師が事故に遭い、代理として奥さんが臨時に招かれたらしい。しかし、俺は不倫の相手なんてするつもりはないし千里以外の女に興味なんてない。俺は大きなため息を吐き、強い口調で臨時の教師を引き剥がした。

「・・・。子供いるんだろ、外道。お前のような腐った女に興味ねぇ」

泣きながら何かを叫び、俺を車まで行かせようとしない臨時教師。無理に進んでいると、車の前には傷付いたように俯く千里の姿があった。
邪魔だと臨時教師を振り払い、すぐに千里の許へ駆け寄ったさ。何があった。何かされたのか。酷い事を言われたのか。
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