ずっと前にね

お前は凄いよ

楽しそうで良かった。卒業式の日まで弱々しい表情見ていたくないしな。やはり、あいつらが捕まった事が大きいのか。それとも、健たちと笑い合えるようになったのが大きいのか。
もし健たちなら嫉妬してしまうな。俺が半年、1年かかって見れるようになったあの笑顔。それを1本の動画だけで見れるようにさせたんだから、若いって凄いな。

「~♪」

癖になるな、この一体感。演奏が始まると千里の歌が体育館を包み込み、掛け合いが一緒に奏でているという事を実感させてくれる。
あぁ、この瞬間だ。千里の声が俺の中にすっと入り込んできて最悪な過去を浄化していくこの瞬間を味わいたくていつも高校へ来ていた。急な誘いも喜んで出向いていた。声を聞く度、俺を清めて道を踏み外さないように支えてくれる。この声が好きなんだ。清めの水のような役割を果たしてくれる千里の声がこの先も俺には必要なんだ。
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