誠の華−ヒルガオ−



「たーこいずを四当分に砕きました。正しい判断力と統率力を持ち、ただしき道に進み、病や災いを避け、四人の友情が深まり、新撰組に成功と繁栄がもたらされるようお祈りしております」


こんなにも高価なものを頂くのに少し躊躇していると頭の片隅で呉服屋の女将の怒りの声が聞こえた気がした。


「ですがこれは…」


主人の額に浮かぶ汗を見て断ろうとする総司を阻止する。


「ありがとうございます。大切にさせて頂きます」


そう言って首飾りを受け取ると早速首に掛けた。


「あぁ、それからそのたーこいずは突然変色したり割れたりする事があるらしいが、それは身に付けるものに襲いくる病や災難を暗示してくれているんや」



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