友達になれなくて
次の日の朝は
より肌寒くて、


そして案の定眠れなくて、


それなのに
よりによって今日は山登り。


夜中考えてもモヤモヤは
やっぱり消えてなくて
なんだか気分が優れなかった。




「先生ー、遅いよー。
背中押してあげる〜〜」



テンションが、高いノリノリ女子の声が
いつも以上に頭に響くな。


「先生ー!」


「先生ーー!」

あーぁ、
ちょっとだけでいいから
黙っててくれないかなー。




「先生ー!恭子が倒れたみたいです!」




…!恭子ちゃん!




自分でも驚いちゃうくらいだけど
さっきまでの憂鬱さなんて忘れて
気がついたら急いで引き返して
恭子ちゃんをおぶっている私がいた。




「さすが、たくましいな。」



『何が言いたいのよー』



また、いつものアイツとのかけ合い。


はい、はい。
どーせ私は小動物系にはなれませんよーだ!


「大丈夫かぁ?」


『門倉も、優しい言葉は知ってるんだね
これくらい大丈夫よ!』


「おまえに言ってない」



は!?????


気にかけてたのは、恭子ちゃんかー!
ムカつく〜‼︎


「ごめんね、梓ちゃん。」

か細い恭子ちゃんの声。



「心配しなくても、こいつは
たくましいから大丈夫だ!」


『って、なんで門倉が返事するのよ!』


恭子ちゃんが
少し笑った。


ちょっと元気になったのなら
良かった、な。





それにしても門倉のやつ!


本当にムカつくわ!
少しは私の心配もしてよね!







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