華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~


ナディへの思いは、これからも変わらない。

私も頑張るから。
どんなに苦しくったって、生き抜いてみせるから。

だから、ナディも諦めないで。

どうか、どうか……!


ナディは鼻をすすり、涙を袖で拭う。
そして私に顔を向けた。


「ありがとうございます、ソフィア様。その言葉、胸に突き刺さりました。これから先、どんなことが待ち受けているか分からない。でも頑張ります。神の下で自分の行った行為を懺悔しながら、前を向いて生きていきます。決して、この今の気持ちを忘れたりは致しません……!」


ナディはそう言って立ち上がる。

そのときの表情は、これまでの悲嘆に満ちたものではなかった。


私に見せてくれていた、変わらぬいつものナディだった。



私も立ち上がり、鉄格子の間からナディに向けて手を伸ばす。

最後に、ナディに触れたいと思ったからだ。



そんな私の思いをナディは察したのか、私の手をギュッと握りしめる。


その手は細く冷たかったが、しっかりと力強さを感じた。




……大丈夫。

私たちには、未来がある。
だからなにがあっても、諦めるのはもうやめよう。


きっと笑えるから。
いつかまた、笑い合える日が来ると思うから。


だからそれまで。


一生懸命、生き抜こう――……。
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