華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~

「これで最後だ。一体なにがあった?答えなければ問答無用でこの扉を開け、お前を抱く。どう抵抗しようとも無駄だぞ?私には許される権利があるからな」


その発言に、私は慌てて扉を開けた。

無理矢理だなんて、そんなの絶対ゴメンだわ!!


扉の前には、王子がニヤリと笑いながら扉を開けた私を見下ろしていた。


「やはり起きているじゃないか」

「……王子が物騒なことを言うからでしょう!?」

「すまないな、これはハッタリだ。私もそこまで下衆な人間じゃない。それでも動きがないようなら、本当に寝てしまったと判断して帰るつもりだったよ。引っかかったな」


……カマをかけたのか、と私は苦虫を噛む。

「汚い手を使うわね」

「開けないフィオナが悪い。入るぞ」

王子は私が止める間もなく、さっさと部屋の中へ入った。
そしていつものように椅子に腰掛ける。

仕方なく扉を閉め、今日はベッドには座らずその場で立ったまま、王子に身体を向けた。

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