夢から醒めた夢
9th*I love you



不思議そうに彼を見つめると、ふっと笑った。



「あの状態で嘘ついてまで逢いたくない理由って、それしかないよな」



言われてみれば、そうかもしれない。

と言うことは、自分からバラしているということじゃないか。

あの時は、これ以上傍にいるのはツラいって、それしか頭になかった。

隠しているつもりなのにバレているとか、めっちゃ恥ずかしいんですけど。



「愛梨を裏切ることは、絶対ない。愛梨と知り合ってからは、他の女に手を出していないし、全て切った」

「全て、切った……?」

「愛梨以外、触れたくないと思ったから全部消した。元々それ目的なのばかりだったから、切るのは簡単だったけど」

「でも、私と逢っている時、女の人から電話あったよね?必ず出ていた人いたよ?」

「……ああ、それでか」



何かに納得したように、急に笑い出す。

おかしなことは、何も言ってないと思うけど。




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