夢から醒めた夢
「明日?また急だね」
『だって、1人足りなくなっちゃって……』
だんだん小さくなる声をなんとか拾うが、違和感がある。
「1人足りないって、まさか合コン?」
『あー……実はそうだったりして……』
言葉を濁すことはしないけど、遠慮気味に言う。
「合コンには行かないって言っているのに、誘うわけ?」
『だって、急に行けなくなっちゃったみたいで』
「じゃあ、1人足りなくてもいいじゃん」
『それじゃあダメなの。絶対人数は揃えてって言われて。
急でも来れるって言ったら、愛梨ちゃんしか思い浮かばなくて……』
「悪かったね、暇人で」
『あ、違うよー』
菜緒の声がだんだん小さくなり、泣きそうに聞こえる。
あまりにもいじめすぎたか。
でも、合コンなんてあまり行きたくない。
嫌な思い出がある訳じゃないけど、行って楽しいものでもない。
「……分かった。行くよ」
『え?本当?』