夢から醒めた夢
見ると、人混みの中、彼が手を挙げて呼んでいた。
おいおい、そんな中で呼ぶなよ。
女の子の目も、一斉にこちらを向いた。
あー、怖いなぁ。
アンタらのじゃないのに、何で私が睨まれないといけないんだ。
呼ばれたところで、私は動こうとしない。
あの睨まれている中には入りたくないから。
そしたら、彼がこっちに来た。
「来てるなら、声かけろよ」
「……あの中には入りたくなかったから」
「愛梨と待ち合わせしてんだから、堂々と入ればいいんだよ」
そうは言われても、今でも解散しない女たちの視線が痛い。
言っとくけど、私は彼女じゃない。
そして、この人は外見だけ。
中身は、女を食いモノにするヤツだ。
それでも、イケメンだからいいのかな。
「とりあえず、行くぞ」
そう言って、私の手を取って歩き出した。
「え?ちょっとっ……」