夢から醒めた夢
「何度もヤることヤってんのに、恥ずかしがるんだな」
平然とそんなことを言われる。
それでまた、頬が熱くなる。
「やっぱり、可愛いな」
そんなこと言われたら、もっと顔が赤くなる。
可愛いなんて、男から言われた覚えはないのだから。
これだけでもう、嬉しいとか幸せを感じるとか、ヤバイ気がする。
「ちょっとごめん。……なに?」
だけど最近、彼のスマホに電話がかかってくることが多々ある。
さすがに、ヤっている最中には出ないけど。
その電話の相手は、女だった。
話しの内容までは聞こえないけど、声が女だった。
女の電話に出るということは、相手は私だけじゃないということだ。
「わぁっ」
電話が終わったのか、急に後ろから抱きつかれる。
「愛梨、今度は和食がいい」
「和食?」
「肉じゃがとかいいな」