幸せになる！！ 前編

「もう秋だよ？
中３の秋！！
高校はどうするの！？」

「…なんかもうどうでもいいや」

「あんた、バカァ！？」

友梨は凛月を睨む。

「このまま、高校にも行かず、家の中に引きこもる気！？
おじさんとおばさんの気持ちも少しは考えたら！？」

この時、初めて、友梨にバカと言われ、凛月は腹が立った。
学力では、友梨よりも、凛月の方が上なのに…。

「…はあ！？
お前、中の下のくせに、偉そうに言うなよ…！
高校に入ればいいんだろ…？
やってやるよ！！
今に見てろよ！」

…その日から、凛月は、今までの分を取り戻すかのように、必死で勉強をし、…そして。

「おめでとーう♪」

春、蓬莱山(ほうらいさん)高校の制服を着た友梨が、同じく蓬莱山高校の制服を着た凛月に笑いかけた。