彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
なんでうち?
ってかデートの付き添いは?


「いや、だって、デートの付き添いはいいんですか?」

『あーもうそれ、終わったし。向こうの付き添いも帰るって言ってるしね』


じゃあ、おとなしくそのまま家に帰ればいいんじゃないでしょうか。
もちろんそんなことは言えないから、


「あの、うちお酒とかないですよ?」


お酒好きの望亜奈さんのことだから、それはなきゃダメでしょう?
ね?だからうちに来てもつまんないだろうし、ね?


『だいじょーぶ。色々買っていくね。メール、すぐ頂戴ね』


って電話は切れた。
これは決定事項らしい。

とりあえず、すぐに住所をメールしてっと。
今週は忙しかったから、ちょっと家の中は荒れてるから慌てて片付け。


って、お風呂。
あー。あふれてる。


一人暮らしのお風呂だし、ふたとかないし。
あぁ、お風呂。
入りたかったんだけど。

今から入って望亜奈さんが来るまでの間に上がれるとは思えない。
それにゆっくり入れないし。それもなんかいやだし。

ハァー
あきらめるか


とりあえず冷蔵庫から麦茶を取り出しコップに注いだ。


ピンポーン


あ、望亜奈さん。
もう到着したのかな?


玄関をあけると白いビニール袋を2つ持った望亜奈さん。
一つは重そうです。


「桃ちゃん、こんばんはー」

「どう、ぞ?」

「はい!これお土産ね?」


って渡されたのは大量のお酒だった……。
もちろん私は飲めないからお土産になんないんじゃないのって思うんだけど。


「冷蔵庫入れてきます」


スタスタとはじめて家に入るとは思えない様子で部屋に入っていく望亜奈さん。
テーブルに買ってきたおつまみを並べると、


「あ、ビール1本もらっていい?」

「はい、ただいま」


って、私。すっかり望亜奈さんの召使い?
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