彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
結局、定時で終わらずに残業。

この前みたいに甘くはなくて、時計を見ればすでに八時。


「ハァー、終わんない……」


事務所のほうはもうすでに誰もいなくて、私一人だからこんな独り言に返してくれる人なんていないはずで。


「まだいたんですか」


急に聞こえた声に驚いて振り返ってみれば、そこにいたのは堂地主任。


「あの、おつかれさまです」

「まだ終わらないんですか?」


まだって、どんだけの量渡していったかわかっていてその発言ですか?
これっていじめとかに近くないですか?なんて心の中で思っていても口から出た言葉は、


「……はい」


私って小心者。
でも上司には逆らえない。


「ちょっと多すぎましたか?」

「や、あの、私の力不足です」

「この前の仕事が定時前に終了してたので、今日は多めにしたんですけど、少し多すぎましたね」


多めにって言いました?今。
多すぎなんてもんじゃないですよ。
だって今、八時ですよ。八時。


「連絡がないからどうしたのかと思ってはいましたが」


終わらないもんは連絡できないでしょう?
終わらないです><;って上司にメールできるわけないし。


「……すみません」

「今日はもう遅いので、残りは私がしておきます」

「え?主任これから、ですか?」

「はい、といっても家でしますが」


え、まさかいつも主任ってそんな遅くまで仕事してたとか?

考えてみたらあの仕事量を昼の時間だけで終わるわけがない。

しかも主任って外回りしてる時間も長い。

ってことは必然的に家でその仕事をしているってことになるけど、私が出来ない分の仕事を家で主任がしてるの?


「事務所閉めますから、天ヶ瀬さんも帰る準備してください」

「はい」


着替えをするために慌ててロッカールームに行き急いで着替えた。
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