キミは俺のモノでしょ
「きゃあ……!」

「あはは。うらら、それ動いてないよ?」

「え……? あ、人じゃないの?」

「本気でビビるとかマジで小学生かよ」

「永浜くん酷い……」

「ジョークだよ」


観覧車から降りたわたし達6人は、お化け屋敷にやってきた。


入り口で二手に別れることになって今度はジャンケンでグループ分けした。


結果、

今ここにいる架里奈と永浜くんとわたし。

それから兄と桜井さんと航太くんの、2グループができた。



――兄に屈服しそうになった。


危うくネックレスの誘惑に負けそうになった。

わたしは飴玉の欲しい子供なの……?


いや、あれは、絶対に受けてはならない取り引きだった。

そうに決まってる。


バカなことは考えるな、うらら。

今日はみんなで来たのに。

みんなといるのが楽しいのに。


観覧車を降りた兄はそのあとケロっとした顔で皆と合流した。

さすがというか。やっぱりというか。


また、からかわれたっ……。



「にしても、紡。もってるよねぇ」

「え? 桜井さん?」

「二分の一とはいえ、ジャンケンで雅くんと同じグループ勝ち取っちゃうんだから。愛の力かな?」

「……そうだね」
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